フランスの労働法
フランスの労働法では、日本とはまったくといっていいほど異なる規定がなされています。労働者の自由と人権を守るための規定が日本をはじめとするアジア諸国と比べて多いのが特徴です。その代表的なものの概要を以下に示します。
【労働時間】
- 週の法定労働時間は35時間(2002年より)
- 35時間を超える労働は残業手当が発生する
- 管理職や自由業(弁護士・医師など)は、この法的規定の範囲外
- 従業員50人超の企業は、従業員が業務メールを送受信してはならない時間帯を明記する行動規範の策定が義務付けられる
【雇用形態】
- 日本の「アルバイト」にあたる雇用形態はありません
- 期間限定の契約でも労働者全員が正社員となり、給与、有給休暇、社会保険や雇用保険等全て正社員に準じた待遇となります
【解雇手続き】
- 個人理由による解雇と経済的解雇に分かれる
- 経済的解雇はさらに個別解雇と集団的解雇と整理されている
- 10人以上の労働者の解雇を伴う集団的経済解雇では、雇用安定化計画の作成が求められる
- 2008年から、労働者と使用者の合意解約が可能になっている
【有給休暇】
- 有給休暇は全ての従業員に与えられる
- 1ヶ月労働するごとに2.5日分の有給休暇が発生する
【雇用契約書】
- 雇用契約書を作成する場合は、その従業員の経歴や業務内容、会社に適用される労働協約を分析する必要がある
フランスをはじめとするヨーロッパ諸国の労働法を調べると、日本社会がいかに労働者にとって過酷で閉鎖的なものであるかということを思い知らされます。
日本においては、労働者の権利を確保する法律が整備されたとしても、実際には違法な労働体制を強要されたり、それを労働基準監督署に通報したとしても労基署が調査に乗り出さなかったりとなかなか労働者の権利が確保されづらいのが現状です。
労働組合に入ることもひとつの手段です。ただ、労働者のみなさんが抱える問題は弁護士からの助言があれば大きく見方が変わるものも多いのが実情ですので、まずは気軽にご相談くださいね。
弁護士 伊藤

